日本インターネット映画大賞

監督賞園子温監督受賞インタビュー

 2012年度、日本インターネット映画大賞において「監督賞」を園子温監督が受賞され、インタビューをさせて頂きました。


園子温監督

--日本インターネット映画大賞の「監督賞」は昨年と今年と連続受賞となりおめでとうございます。
 また、今日は、編集、新作の準備とお忙しい中、お時間をいただきありがとうございます。今日は『ヒミズ』『希望の国』の作品等を中心にお話をお聞きしたいと思います。
 『ヒミズ』では、素晴らしいシーンが数々ありました。
 父親に息子が殴られて坂道を下って池の方へいく場面で、彼らを追って行ったカメラが上からのカットに切り替わる場面の素晴らしさなど 編集の素晴らしさに驚いた作品でした。
 実際この作品はどちらで撮影になったのですか?

園子温監督(以下、園監督と略します):北関東やいろいろな場所で撮っています。すべてボート場の廻りの街という設定になっていますが、いろいろな場所で撮っていて、茨城やもっと北の方でも撮ってます。
 あまり予算のない作品でしたので、東京に撮影が終わったら帰って来れる所です。
 行った先で泊まると予算がオーバーしてしまうので、朝早く行って、撮影したら帰って来る。
 今の5〜7000万円くらいの中型の映画では、だいたいこの様に日帰りで帰って来れる場所を選んでの撮影になりますね。

−『ヒミズ』の頃は監督もそうとう有名になられましたので、予算も多かったのではと思っていました。

園監督:企画が緩ければお金も集まり安いのですが、『ヒミズ』の様に内容が厳しいとそんなにお金は集まらないですね。

−監督の作品は全体的に時間の長い作品が多いですが、最終的にそうなってしまうのですか?
 それとも、始めからその時間を狙って作っているのでしょうか?

園監督:いやー、よくそう言われますが『愛のむきだし』で4時間以上の作品を撮ったからでしょうか。
 私の作品は長いと思う方が多いようですが、その前は東映での『エクステ』では1時間半くらいです。
 今度の新作は、きっかり2時間くらいの作品ですし、9月に撮る予定の作品は1時間半です。

−今年の9月に公開予定の『地獄でなぜ悪い』ですね。観るのが楽しみです。

園子温監督

園監督:今、0号試写の段階です。
 『ヒミズ』については漫画が原作で、4巻もの長さがありますので、映画用に縮めていくしかない。
 枝葉を切っていくのですが、キャラクターで途中から消えていくのは要らないとかして消していくのですが、これ以上削っては限界かなという所まできて『ヒミズ』はあれぐらいにの上映時間になりました。
 だから、長くしようという気持ちはなくて、なるだけ短くしたいのです。『愛のむきだし』も最初は6時間ほどあったのを切って4時間くらいにしたけど、もっと切りたかったですね。切って、テンポが良くなるならそれにこしたことはないですから。

−園監督の作品の切り返しというか編集は凄いですよね、いつも素晴らしいなーと思って観ています。
 『愛のむきだし』も4時間あったという長さを感じさせない面白さがあって、凄い才能の監督が出てきたなと思いました。
 そういう評価も多く言われると思いますが、今の映画監督としての立ち位置みたいなものは、どの様にお考えですか?

園監督:そう言われるのは少ないですね。随分前から変わらないでやってきたつもりなので、そんなに、自分にとっては変わっていないと思います。

−海外の評価も素晴らしく、記事など読むと園監督は凄いことになってしまったんだなと思うのです。
 また、先ほど話のでました新作『地獄でなぜ悪い』は有名な役者さんも多く、今までにないエンターテインメントの作品になりそうですね。

園監督:そうですね、新作では180度作風を変えてます。今までは、3.11以降精神的に重い映画を撮っていたので、そこから離れて、ビールとポップコーン片手に楽しんで観られる、アクションと笑いの映画になっています。

−今までの園ワールドではない、ハリウッドの娯楽作品の様な感じですね。

園監督:僕の映画の重さというか、それを評価している方には、なんだかなという感じがするかもしれませんが、この1年間くらいは、軽い映画を撮っていきたいなと思っています。

−監督の作品はメッセージが強い感じがありますね。

昨年は意識的にメッセージ性を強くしましたが、その前は、そんなにメッセージするつもりは無く、面白ければいいと思って作っていました。あとから見るとあんなテーマがあったとか、面白ければいいと思って作っても、知らず知らずの内にメッセージが出てしまうということがあります。
 ここ1、2年は意識的にメッセージ性を抜こうと思っています。そうでないと出てしまうので。

−『ヒミズ』では、震災の荒地の風景が挿入されていますが、あれは『希望の国』への繋がりを意識的に考えての作り込みだとも思えるのですが。

園監督:『ヒミズ』にしろ『希望の国』にしろ、震災の話を取り上げないで別の作品を作っていたら、あと2、3年後に必ず後悔するなと思いました。まー、それが早すぎるという人もいます。それはそれで、そう考える人がいてもいいかなと思います。

−『希望の国』ですが、あの作品は福島の事故の後に、また原子力の事故がおきた事になっていますが、実際、震災後の日本の方向性や収束がつかない状態の中であれだけの映画を撮られた。
 監督はすごく力強い精神なんだなと印象に残りました。これだけの映画を、このテーマで撮る、作れる才能は素晴しいと思いました。

園監督:ありがとうございます。
 『ヒミズ』に出てくる被災した家で、渡辺哲さんが演じた矢野宅は石巻にありました。うちのスタッフの一人が石巻の出身だったので、彼の友達やネットワークを使って動いてもらって地元の風景を撮ることができました。
 『希望の国』でもそうですが、彼がいろいろと動いてくれて、地元の協力をとることができたことが大きかったと思います。

−地元のスタッフがいたというのは、やりやすかったですね。

園監督:そうですね、やりやすかったです。
 なお、石巻の被災地での撮影は、朝の5時頃から撮影して6時半くらいには終わりにして、1.5時間くらいの早取りで行ないました。

園子温監督

−配役では、私はお母さん役の大谷直子さんが良かった、昔からのファンだったこともあり(笑)
 また、夏八木さんのお父さん役も良かったですね。

園監督:キャストについては苦労しなかったですね。味があって泥の匂いがする。都会的じゃないけど、格好がい良いというと、あの年齢では、夏八木さんくらいですからね。ちょっと上だと菅原文太さんなども良いですね。

−菅原さんはもうご本人が映画に出ませんね。

園監督:そう、出ないから、そうなると夏八木さんしかいない。
 それに大谷さんについては、あの年でも体がちゃんとしています。今回の映画は撮影がキツかったので、冬ですし、だから健康的にも大丈夫な人は限られてきてしまいます。
 夏八木さんと一緒に仕事して、もったいないなーと思いました。日本映画は彼の年代の映画が少なくてです。
 海外だとたくさん作らているのに、日本では活躍の場が少ない。今は若者の映画が多いので、年配の方は脇役になって、それも気のいい役まわりで、なんでも解ってくれるおじいさん役とかです。

−そうですね。若者達の映画が多く、夏八木さんくらいの年代の方が主役の映画は少ないというか、ほとんどないですね。

あの『戦国自衛隊』で戦車に飛び乗った体力がまだあるのにもったいないです。
 日本とハリウッドの映画は逆転しているんですよね。ハリウッドだと、10代20代の若者が活躍する映画はマイナーな映画で、メジャーな映画は年寄りががんばっている。

−監督の場合、出演する俳優さんは、だいだい決まっているのですか?

園監督:そうですね、ある程度決まりますが、普通の俳優さんは専門のキャステングさんが選んだ通りにやっています。新しい発掘をしてみようという実験は最近はしていませんね。

園子温監督

−監督はもともと映画は、観るのは好きだったのですか?

園監督:映画を観るのは小学校のときから好きでした。むしろ大学に行ってから観るような映画を、当時はTVで夜の9時からトリュフォー作品なども放送していたので小学校から観ていました。

−同じ年代です。

園監督:ベルイマンの『野いちご』を放送していたり、仮面ライダーの放送とベルイマン放送時間があまり変わらなかったり(笑)

−そうですよね。夜6時からアニメ放送があって9時からは映画放送。昼の映画番組も凄いラインアップで観たいのが沢山ありました。当時はビデオもなく、学校も休めないので悔しい思いをしました。

園監督:そう、昼の2時からの映画は高級な映画の放送してたねー。それに夜は、月曜から毎日TVで9時から映画を放送していた年代です。

−そうですね。どこかのチャンネルでは9時から映画を放送していました。

園監督:あのころの9時からの映画は白黒映画が主流なので、カラーになったらびっくりしちゃって(笑)。1970年代のカラーの映画が放送されると最近の映画だー!と。

−そうそう(笑)

園監督:50年代、60年代までがTVでやる映画で、70年とつくと最近の映画で、やっちゃって良いのかなと思ったり(笑)

−今は1年経たなくても衛星放送等やレンタルで放送されるように変わりました。

園監督:当時は、10年から15年前までの映画をかけるのがTVだと思っていたからね。

−特に、洋画はそうでしたよね。

園監督:だからTVでたくさん映画は観てましたよ。
 観るたびに主演、監督、編集等、どうでもいい細かいスタッフの名前をノートに書いて、感想を書いたりしてました。なので、いろいろ覚えちゃった。

−好きな監督さんや俳優さんは?

園監督:小学校のときはウイリアム・ワイラーです。
 ワイラーはよく放送していたし、好きな作品はボガートの『必死の逃亡者』かな。あの必死は日本語のタイトルのときに付け足した。 ヒッチコックもよく放送されていました。
 あとは、どうでもいいようなギャング映画が放送されていて、リチャード・ウィドマークとか出ていた。  ゲーリー・クーパーも好きでした。マカロニウエスタンもよく放送されていた。ジュリアーノ・ジェンマとかね。

−『荒野の一ドル銀貨』ですね。

園監督:そんな訳でとにかく、映画を観るのが大好きでした。洋画を観てるということと、あとはサントラを45回転のシングルをよく買ってました。  映画館で観始まったのは中学時代からです。小学校の頃はひたすらTVで映画を観てました。

−映画館で観始まった頃の思い出の映画は何ですか?

園監督:あの頃映画館で映画を観るのはひとつのイベントで、『エクソシスト』が凄かったです。
 ロードショーやスクリーンの評論家はみんな、この映画はゲテモノってけなしてた。。私は傑作だと思ったのですが。今だと名作になっている。今思うと、当時けなされていたけど名作になっている作品は他にもいっぱいある。

−そんな映画ありますね。それに『エクソシスト』はヒットしました。

園監督:あの時、あんなにめちゃくちゃ言われたのになーと思って(笑)『悪魔のいけにえ』もめちゃくちゃ言われていて、何故、今は名作と言われているのかな。

−『悪魔のいけにえ』も良かったですね。

園子温監督

園監督:あとは『ジョーズ』ですね。
 当時はVHS(ビデオ)とか無いから、映画館にラジカセを持ち込んで録音して、家でそれを聞いて何回も観る。

−頭で見るということですか。そこまでしたとは、驚きです。

園監督:または、それを聞きながら、漫画みたいに、コマで書いていく。

−うーん、映画監督になるべくしてなったのですね。
 私など、観て帰って来ただけだから、やはり映画監督になる方は違ったんですね。

園監督:でも、まわりの人に聞くと、同じように映画館にラジカセ持ち込んだ方がいたようですよ。当時は公開日しか観れなかったので、なにか記録を残したくてラジカセを持ち込み録音したんでしょうね。

−私たちの世代は、洋画が主流でしたね。

園監督:そう洋画しか見ない。あと、音楽も洋楽なんですよ。だから、小さい時のことって大きいですよね。日本映画も観ますが、やはり根底で好きなのは洋画なんですよね。
 邦画は、泥臭くていかんわ!とか(笑)

−ハリウッド映画とくらべると泥くさい。

園監督:でも、洋画の後の、泥の様な映画の最初の衝撃、深作監督の作品を20代に観て「うわー凄い」と感動してしまって、もう洋画は観なくなってしまいました。東映の昔の映画ばかりを、新宿昭和館で毎日3本立てを観たり、浅草で観たりしてました。
 古い日本映画がもっている泥くささが好きで、それが作るときの原点です。原点は深作さんの影響とかが大きいですね。

−そうでしたか。

園監督:映画を観るのは好きだけど、というのがずーっとあったけど、まさか今の自分の様に映画監督をやるとは思っていなかったです。
 実際、音楽もやりたかった。でも、そういう入口はふさがれていて、いつの間にか映画監督をやっていたという事です。

−これから、どうなるかは判らないということですね。

園監督:まったく、わかりませんね。

園子温監督

−まだ、やりたい事ってありますか?

園監督:今年から演劇もやろうかと思っています。

−それは、演出ですか?

園監督:演出はまだ先ですね。演出は他の方にまかせて、台本を書く考えです。

−それは楽しみです。
 『ヒミズ』の話に戻りますが、主演の若い二人の演技も素晴らしかったですが、その分御苦労も多かったのではと思います。

園監督:いまでこそですが、始めは二人とも、プロデューサーからは、もっと有名な方を使えという話もありました。
 日本映画では、有名かどうかという事が重要な事があるので、年齢が多少前後しても候補にあげて来る事もあるのです。しかし、結果的によい人選になったと思っています。

−有名な方が出る場合、その方がCMに出ている場合は、やはり制約とかかかるものですか?

園監督:まー、掛かっていますね。携帯をとっても、Aの会社の携帯のCMに出ていれば、Aを使わないといけないとかあります。実際「携帯なんて、いらない!」というセリフが、携帯のCMに出てる子にあって、私このセリフ言えませんという事もありました。だから、6本とか多くのCMに出ている子は、恐ろしくセリフが制限されます。

−じゃ、映画をとるかCMをとるかという事になりますね。

園監督:今の世界はCMが大事なので、CM来なくなるようなら映画を切ってしまうでしょう。

−映画だけ出ている俳優さんなんているのでしょうか?

園監督:わかりませんが、映画の制作費は日本ではどんどん下がっていますので俳優へのギャラも下がっていますね。

−映画に出る回数が増えると、スポンサーがついてギャラが増えるものと思っていました。

園監督:大手の映画会社ならそうでしょうが、こちらは独立プロなので予算はそうは行きません。

−でも監督はこの様にたて続けに作品が撮れる事が凄い事だと思います。なかなか作品が撮れないと言う監督さんもいるように聞きます。

園監督:それは、予算と上手く折り合いをどう付けるかということで、やろうと思えばそれは出来ると思いますよ。

園子温監督

−2000万でも撮る方は撮りますからね。

園監督:私はずーっとそれでやってきました。
 たとえば『紀子の食卓』は3000万の映画で、2時間の映画を撮れって言われれば撮るしかないという感じです。
 それは受けるときの気持ちしかないですよね。出来ないといえば出来ないですから。有り得ないですもの3000万なんて。『愛のむきだし』の時も6000万で4時間の映画で、3週間で撮影を終えようと考えていました。

−あの作品は3週間で撮ったのですか?

園監督:いや、できなかったですが、一生懸命頑張って撮ろうと思いました。
 それを受けるか受けないかの問題です。だから、出来ないことはないと思うのですよ。今もその気持ちは変わらなくて、1000万、500万で映画を撮れと言われれば撮りますからね。

−もしも、学生で映画を撮りたい方に500万で映画撮れっていったら喜んで撮るでしょうね。

園監督:勿論です。そんな贅沢言えませんよ(笑)喜んで、もちろんですよ。500万とか予算が少ないだけ、規制が少ないので、有名人ではなくてよくて、無名の人で作れといわれたら今でも作ります。

−今まで監督の観た映画の中で、あのような映画を撮りたいという作品はありますか?

園監督:ありますよ。『地獄の黙示録』や『プライベート・ライアン』の様な映画です。東京空襲か、沖縄決戦を、あれくらい怖いもの、スペタクルで撮りたいです。
 前から言ってますが、言葉で戦争は怖いと言いますが、予算がないから日本映画ではその怖い映像を撮れない。
 最近『原爆の子』を見ていたら、驚いた事に、当時の原爆が落ちた後の風景を、なまなましく撮っている。現地へ俳優も行って撮るということは生々しいです。
 いつか3.11が風化した時に『ヒミズ』がこの映画の様に見れたらいいなと思いました。記録するというのは、こういう事だなと思いました。
 『地獄の黙示録』のように巨額のお金をかけて、今生きている空襲を生き延びたおじいちゃん、おばあちゃんの話しを聞きながら、その声をそのまま映像として残したい。彼らがその映像を見て、たしかにこの通りだったと言えるような映画を撮ってみたいと思っています。
 今の映画の映像でそんなものは無い。『プライベート・ライアン』の時に、スピルバーグはその時の兵士に映像を見せてその通りだと言われたという話があり、凄いと思いますね。
 あとは、70年代の沖縄返還時の話をやってみたいですね。昔ながらの家が沖縄から少なくなってきているので、早く撮らないと、全部セットで作らないといけなくなってしまう。

−今、映画として記録を残し次の世代に問題提起をするという姿勢が少なくなっているように思います。園監督に頑張っていただきたいです。
 ところで、映画を撮っていて辛かったことなどはありますか?

園監督:ここのところ、こんな映画作りたくないなーと思える映画ばかり作っていたので、『ヒミズ』『希望の国』は作りたくて作った訳でないというと語弊がありますが、何と言うか、できれば作りたくなかった。

−そうだったんですか。

園監督:自分でやってますが、何と言うか、もし原発の事故がなければ作らなくてもよかった映画です。喜んで作りますという映画ではなかった。半年間取材して、ありえない話がいっぱいあった。
 『希望の国』ではリアルじゃないという話もありますが、全部本当の話です。実際にあった話をを集めたので、それは、報道されていないだけなんですね。
 昨日、ある雑誌を読んだら、『ヒミズ』に関して、二階堂の親で、あんな死刑台を家の中に作っている親なんていないと書かれていましたが、取材した話で、実際いたわけです。ひどい親だと思いました。私は、いた人の話でやりたいんです。取材した本当にあった話で作りたくて、頭の中で作ったもので作りたくないんです。

園子温監督

−新作はどうでしたか?楽しんで撮れたという感じですか?

園監督:まあ、今回は取材も要らなかったです。ブルース・リーと東映をリスペクトした映画で、17年前に書いた脚本がベースになっています。古い脚本が何本か出てきたので。

−たくさんあるのですか?

園監督:そんなにはないですが、今年はもう1本、怪獣映画の脚本が出てきて、今読んでも面白いので、それを撮ろうと思ってます。特撮ものにしようと思ってます。怪獣もちゃんと人が中に入って作る考えです。

−園監督が怪獣映画ですか。きっと話題になると思います。
 監督の作品はどれもインパクトがありますが、なかでも『冷たい熱帯魚』は凄かった。本当の事件を題材にしてますね。

園監督:あれこそ、初め断ったのです。
 企画を持ってきた相手は「この事件の映画、園さんが、やりたがっていると言うので持ってきました。やりませんか?」と言われて、「えっ?俺そんなこと言ってないよ」と(笑)

−そうなんですか(笑)

園監督:そんなグロイ犯罪の作品は映画化したくない。
 でもまーちょっといじっているうちに、まーこれなら出来るかなという風になってきて、最後は喜んで作ってましたね。

−『恋の罪』も同じように実際の犯罪をあつかった作品ですね。

園監督:先に熱帯魚の様に気が進まない作品を喜んでやってしまった後は入りやすかったですね。沢山人が死ぬ訳でもなくロマンチックなので、そんなに人間不審になる話では無いので。

−話は変わりますが、撮影中は睡眠時間はどれくらい取れるのですか?

園監督:予算が少ない映画ほど、寝る時間が少なくなりますね。撮影期間=お金に成るので。

−役者さんで友情出演の方とか有名な方とかが多く、キャスティングも大変なのではと思いますが。

園監督:役者さんは、やりたい役を半分も出来ていないという不満が多いのです。役者はギャラではなくて、出たいものに出たいと思っていて、あとは他の作品やCMで稼ぐとか、まぁハリウッドも同じです。

−俳優の方でこれから使ってみたいと思う方はおりますか?

園監督:特におりません。私は脚本を読んでから、その役柄から俳優を考えていくので、その台本にあった人を探すということですね。

−ハリウッドの俳優では誰かいますか?

園監督:それって、近寄ると近寄っただけ、その気持ちがなくなるようです。
 いつか、ハリウッドで仕事したい、そしてアル・パシーノと仕事したいなと思っていました。これから、海外で映画を撮る機会も多くなってくると思うのです。昨年はオーデションをハリウッドでやっていたんですよ。だんだんその様な方と逢っているとアルパシーノに逢わなくてもいいやと思えてくるんです。
 なぜなんだろうかと考えたら、そういうミーハー的な事ではなくなってくるんですよね。でも日本だと、菅原文太さんが好きですし、海外でもミーハー的に好きな人はいますよ。

−誰ですか?

園監督:やはり、デ・ニーロには会いたいですね。

−中学生の頃、憧れていた女優さんなどはいましたか?

園監督:もうーおばあちゃんでしょうが、ドミニク・サンダですね。

−ドミニク・サンダさんは良いですね。私も好きでした。
 最後の質問になりますが、日本インターネット映画大賞は、インターネットの中で行っている映画賞でして、監督は作品の感想などを、インターネット上でプログなどを見る機会はありますか?

園監督:見ますよ。
 この映画賞のすごく嬉しいところは、駆け引きがないから嬉しいです。そういう意味で、純粋な賞なので嬉しいですね。

−ありがとうございます。これからのご活躍をますます期待しております。本日はありがとうございました!


 インタビュー当日は、編集のご予定があるなか、また新作の準備のさなかのお忙しいところ、お時間をいただきました。ありがとうございました。この場を借りて厚くお礼を申し上げます。

 PS
また、4月30日には、水道橋博士プロデュースで、園監督ご自身がご出演のお笑いライブも行うとの話も聞けました。お笑い芸人から映画監督になられた方はいますが、映画監督からお笑い芸人になる方は園監督が初めてです。