世界中に旋風を巻き起こした映画『ジョーカー』はもう観ましたか?
2019年に公開されてからずっと気になっているけどまだ観れてない…という方もきっと多いですよね。
バットマンの宿敵であるジョーカーが誕生してしまった理由は?
そして、あの衝撃のラストシーンに残された謎とは?
波紋を呼んだ数々の謎とともに、ネタバレ考察を徹底解説していきます。
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あらすじと『2つの見どころ』もおさえて、余すところなく映画『ジョーカー』を満喫しましょう。
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映画ジョーカーのあらすじと見どころ
映画『ジョーカー』は、DCコミックスの『バットマン』に登場するスーパーヴィランであるジョーカーの誕生を描いた作品です。
公開後すぐに大きな話題となり、主演のホアキン・フェニックスがこの映画でアカデミー賞主演男優賞を受賞したことによりますます注目を集めましたね。
まずはネタバレなしで物語のあらすじとこの映画の見どころを紹介していきます。
映画ジョーカーのあらすじ
ゴッサム・シティでは貧富の差が広がり、腐敗した政府はもはや機能していません。荒んだ街では犯罪や暴動が頻発していました。
そんなゴッサム・シティで母親と暮らしているアーサー・フレックは、ピエロ派遣サービス『ハハプロダクション』でピエロとして働く孤独な男です。
母のペニーは認知症気味で身体も不自由でしたが、母を大切に思うアーサーは面倒を見ていました。
その暮らしはとても貧しく、ペニーはかつて自身を雇っていたトーマス・ウェインへ救済を求める手紙を何度も送っては、来ない返事を待つ日々でした。
アーサーの夢はコメディアンとして人々を笑わせることです。
そして、マレー・フランクリンの人気番組『マレー・フランクリン・ショー』に出演して人気者になるという目標が心の支えになっているのでした。
しかし、アーサーは突発的に笑い出す病気・トゥレット障害を患っており、その症状が彼を苦しめていました。周囲に溶け込めず、社会から孤立しています。
そんな中、街の福祉予算の削減で、アーサーに対するソーシャルワーカーのカウンセリングと精神安定剤の処方が打ち切られることが決定します。
さらにはピエロ姿での仕事中に、貧困街の若者から暴行を受け、袋叩きに遭うのでした。
ジョーカーの誕生は1940年!
スーパーヴィラン・ジョーカーについて詳しくない方のために、そもそもジョーカーが何なのかお教えしましょう。
ジョーカーはバットマンの宿敵で、アメリカンコミックスの『バットマン』に1940年に初登場しました。以来バットマン最大の敵として親しまれています。
バットマンの正体はゴッサム・シティで大富豪として名を馳せるトーマス・ウェインの息子ブルース・ウェイン。
両親のトーマスとマーサを殺されたことをきっかけに悪を憎むようになり、後にバットマンとなります。
このような細かな設定が決められているバットマンと違って、決まった設定の少ないジョーカーは設定やオリジンを自由に表現できるキャラクターなのです。
これまで実に様々な描かれ方をしてきました。
基本的に共通しているのは、悪魔のように邪悪で、気まぐれで残忍な犯罪を犯すサイコパスであること、バットマンを殺さないこと、そして知性とユーモアに富み、ピエロのような格好をしていることです。
人々の心の弱い部分に入り込み正義をあざ笑うアンチ・ヒーローでもあるジョーカーに、心惹かれる人が多いのです。
映画ジョーカーの2つの見どころ
映画『ジョーカー』には注目したい2つの見どころがあります。
- これまで謎に包まれていたジョーカーのオリジン
- ホアキン・フェニックスの圧巻の熱演
どうしてここに注目したいのか、それぞれ詳しくみていきましょう!
【見どころ1】これまで謎に包まれていたジョーカーのオリジン
ジョーカーは決まった設定が少ないと説明しましたが、そのオリジン(誕生経緯)も決まっていません。
そして、これまでの映画にはジョーカーがどのようにして誕生したのかを描いた作品がなかったのです!
そこで初めてジョーカーのオリジンを描いた映画『ジョーカー』は、公開前からDCコミックスファンを中心に大きな話題となりました。
あのジョーカーのオリジンを実写映画で見ることができるというのは、ファンにとって嬉しいサプライズだったのです。
あの狂ったスーパーヴィラン・ジョーカーの誕生物語をどのように描いたというのでしょう。少しでもジョーカーを知る人なら必見の映画というわけです。
【見どころ2】ホアキン・フェニックスの圧巻の熱演!
この映画で最も話題になったのが、主演ホアキン・フェニックスの素晴らしい演技です。
突発的に笑ってしまう病気の演技や笑顔のピエロメイクの下に隠す悲しみ、愛を求めながら歪んでいく複雑な心情を見事に演じました。
映画の初め、アーサー・フレックはジョーカーとは似ても似つかない男です。あの狂ったジョーカーとは共通点が見つかりません。
しかし、映画が進むにつれアーサー・フレックは明らかにジョーカーに近づき、最後はどこからどう見ても誰もが知るあのジョーカーになります。
笑い方や歩き方、目つきが、完全に違うのです。
そんなホアキン・フェニックスの演技はまさに見ものです。アカデミー賞主演男優賞を受賞したその演技をぜひ楽しんでください。
DC映画を観ておくとジョーカーをもっと楽しめる!
映画『ジョーカー』はDCコミックスの作品ですが、これまでのDCコミックスの実写映画とは全く違う設定で作られた作品です。
そのため、他の映画に登場するジョーカーとは他のパラレルワールドに存在するジョーカーであり、別人なのです。
あくまでも独立した物語なので、他のバットマン映画を見なくても楽しめるのが特徴でもあります。
しかし、バットマンやジョーカーについて少し知っておいた方が楽しめるかもしれません。
また映画『ジョーカー』では、ジョーカーとなった後の悪役としての活躍はあまり描かれていないため、ジョーカーという存在の大きさをイマイチ知ることもできません。
もし興味があれば、ジョーカーを見る前にDCの世界を知ってみてはいかがでしょうか。以下の3作品をおすすめします!
- バットマン(1989年)
- ダークナイト(2008年)
- スーサイド・スクワッド(2016年)
バットマン(1989年)
1989年公開、ティム・バートン監督の『バットマン』です。
このバットマンでは、当時既に数々の映画賞で主演男優賞や助演男優賞を獲得している名俳優ジャック・ニコルソン演じるジョーカーが登場します。
マイケル・キートン演じる陰鬱な雰囲気の主役バットマンと、ふざけたヴィラン・ジョーカーの戦いを描いた作品ですが、ジョーカーが主役だと言っても良いほど魅力的に描かれたジョーカーを楽しむことができます。
ダークナイト(2008年)
2008年公開、クリストファー・ノーラン監督の『ダークナイト』もバットマンとジョーカーの戦いを描いた作品です。
この作品の完成を待たずに亡くなったヒース・レジャーの、魂のこもったジョーカーの熱演が話題となりました。
笑い方や目つき、乾いた喋り方や佇まいなど、細部までジョーカーになりきるために、不眠症になるまで1人でホテルに閉じこもって役作りを徹底したのです。
死後の受賞となったものの、アカデミー賞助演男優賞をはじめとした主要映画賞を総なめにしました。
彼が命をかけたとも言えるクレイジーなジョーカーの姿に心を奪われることでしょう。
スーサイド・スクワッド(2016年)
2016年公開のスーサイド・スクワッドは、DCコミックスのヴィラン達を主役にした作品で、ジョーカーも登場しています。
この作品はダークナイトと同じ設定で同じ世界を舞台にしたもので、ジャレット・レトがヒース・レジャーのジョーカーを引き継ぐ形でジョーカーを演じました。
ジョーカーの登場シーンは多くないうえ、ややポップで現代的なジョーカーが描かれており、イケイケなかっこいいジョーカーです。
しかし、そのスター性や型破りで読めない行動はまさにスーパー・ヴィラン、ジョーカー!
ジャレット・レトはジョーカーを演じるに当たって、極悪犯罪を犯した精神疾患者を収監する施設で彼らと一緒に時間を過ごし、役作りをしたと言います。
映画ジョーカーのネタバレと考察
ここからは、ネタバレありのストーリーを紹介していきます。
まだ映画を見ていない方は注意してくださいね!
【ネタバレあり】初めての罪
ピエロの仕事中に若者から暴行を受けたアーサーを、同僚のランドルが慰めます。そして「これで身を守れ」と言って手渡した紙袋に入っていたのは、一丁の拳銃でした。
やりきれない毎日の中でアーサーの心の支えになっていたのは、同じアパートに住むシングルマザーのソフィー・デュモンドでした。
普段は挨拶を交わす程度でしたが、時々彼女の後をつけてはその姿を見ていました。
ある時アーサーはソフィーと打ち解け、自分が出演するコメディーショーを見にくるよう誘います。ショーはなんとか成功し、ソフィーも楽しんでくれたのでした。
しかし、ランドルから受け取った拳銃を慰問先の小児病院で床に落としてしまい、アーサーはピエロの仕事をクビになります。
アーサーは「ランドルから護身用にもらっただけだ」と弁明しますが、ランドルはそれを否定するのでした。
裏切られたアーサーは、ピエロ姿のまま地下鉄に乗ります。
ガラガラの車内では、トーマス・ウェインの会社で働いているという3人の証券マンが女性に絡んでいました。
女性から視線で助けを求められたアーサーは緊張して笑いの発作が出てしまい、その隙に女性は逃走します。
アーサーはその3人から暴行を受けるハメになり、耐えきれなくなり持っていたあの銃で撃ち殺してしまいました。
地下鉄から逃げ出しトイレに駆け込んだアーサーは、殺人を犯したという恐怖を感じますが、同時に溢れ出る高揚感を抑えることができません。
トイレの中で踊りだすアーサーは、これまでの彼とはまるで別人のようでした。
【ネタバレあり】僕の人生は悲劇ではなく喜劇だった
何かが弾けて生まれ変わったようなアーサーは、ソフィーの家へ行き強引にキスをして口説きます。そして、もう一度自分のショーを見にくるよう誘います。
一方で、ピエロ姿のアーサーによる殺人事件は『貧困層による富裕層への復讐』と報じられ、ゴッサム市民から支持を得ていました。
そんな市民を、殺された男たちが務めていた会社のトップであるトーマス・ウェインが「まるでピエロだ」と揶揄したことにより、貧困層の市民たちは一層色めき立ちます。
ピエロの仮面を被った市民による抗議デモが日々勃発するのでした。
ソフィーが見に来たアーサーのショーは、笑いの発作が出てしまい大失敗に終わります。ところがこのショーの映像を目にしたマレー・フランクリンは彼に興味を持っていました。
そんな中、警察はアーサーに目をつけており、地下鉄での殺人事件の犯人ではないかと疑っていました。警察の詰問を受けた母親のペニーは脳卒中で倒れてしまいます。
アーサーは、ペニーがトーマス・ウェイン宛てに送り続けている手紙を盗み見て衝撃を受けます。そこには、自分がペニーとトーマスの隠し子であると書かれていたのでした。
アーサーは真実を確かめるためにウェイン邸へ向かいます。
門の内側にいるトーマスの幼い息子・ブルースに手品を見せるアーサー。
そこへ来たトーマスの執事であるアルフレッドに「お前の母親は狂っている」と言われ、怒ったアーサーは門越しにアルフレッドの首を締めて逃走します。
その後トーマスが出席する上流階級向けの映画鑑賞会に入り込みトーマスに接触したアーサーは、「自分は父親ではない。お前はペニーがウェイン家で働いていた頃にもらわれた養子だ。」と言われて殴られるのでした。
トーマスとの関係をはっきりさせたいアーサーは、ペニーが以前通っていた病院の入院記録を入手します。
そこには、アーサーとペニーに血縁関係がないこと、ペニーの元恋人がアーサーに虐待し、母であるペニーはそれを傍観していた罪で逮捕された過去が会ったことが記載されていました。
トーマスとの関係はペニーの妄想であった上に養子で、しかもアーサーの笑いの病気はペニーとその恋人の虐待が原因だったのです。
これまで信じていた母親の愛や絆…それらをすべて否定されるような真実を知ったアーサーは絶望します。
そんなアーサーの元に、『マレー・フランクリン・ショー』のスタッフから出演依頼の電話がありました。嬉しい知らせですが、マレーは彼を世間の笑いものとしているにすぎませんでした。
「僕の人生は悲劇ではなく喜劇だった。」そう気付いたアーサーは入院しているペニーの元へ行き、枕を押し付けて窒息死させるのでした。
ずっと悲劇だと思っていた人生は、母親に裏切られるという見事なオチのある愉快な喜劇だったのだ。アーサーはそう思ったのでしょう。
その後ソフィーの元へ行くアーサーですが、ソフィーはアーサーのことを微かに覚えている程度でした。これまでのソフィーとの関係は、アーサーの妄想だったのです。
アーサーは、妄想と現実の区別がつかなくなっていたのでした。
【ネタバレ】『マレー・フランクリン・ショー』
『マレー・フランクリン・ショー』の撮影当日。アーサーは若かりし頃のペニーの写真を見つめ、憎しみを込めて握り潰します。その写真の後ろにはTWの文字がありました。
アーサーは髪を緑色に染め上げ、ピエロのメイクやスーツを来て準備をします。番組には新しいこの姿で出演することにしたのです。
そこへ、母の死を聞きつけた元同僚のランドルと小人症のゲイリーが訪れます。ゲイリーが母親の死を心配する一方、ランドルは自分が貸した拳銃が気になっているだけでした。
自分を裏切ったランドルへの憎しみが込み上げたアーサーはランドルの喉をハサミでかき切り、さらに彼の頭をなんども壁に打ち付け、壁を赤く染めて行きます。
自分に優しくしてくれていたゲイリーを逃し、アーサーは収録へ向かいます。
新しい姿のアーサーは、階段の上で意気揚々と踊り出します。完全に生まれ変わったアーサーは、無敵になったようにすら見えます。
その姿を階段の上から見ていた刑事に追いかけられますが、デモへ行くピエロ姿の市民でいっぱいの地下鉄に乗り込み刑事を撒きます。
刑事は無関係の市民を誤射してしまい、ピエロたちのリンチに会うのでした。
自分の楽屋に着いたアーサーは、そこへ訪れた憧れのマレーとようやく対面します。そしてマレーに「本名ではなくジョーカーと紹介してくれ。」と頼みます。
『マレー・フランクリン・ショー』の本番にジョーカーとして登場した彼は、不謹慎で笑えないジョークばかりを披露します。
そして地下鉄で証券マンを殺害したのは自分だと暴露しますが誰も笑いません。さらにゴッサムの社会を批判しますが、マレーに否定されてしまいます。
自分を笑いものにしようとした富裕層側の人間であるマレーに腹を立てたジョーカーは、怒りに震えながらジョークを披露し、拳銃を取り出してマレーの額を打ち抜きます。
パニックになるスタジオをよそにカメラの前でステップを踏み、マレーの決め台詞である「That’s life!」を真似しようとしますが、警察に連行されます。
【ネタバレ】ブルース・ウェインとジョーカー
テレビでそれを見ていた貧困層の市民はジョーカーに触発され、富裕層への怒りを爆発させて暴徒化していました。
トーマス・ウェインはそんな市民から逃げるために妻とブルースを連れて路地を急いでいましたが、ブルース以外の2人は、ピエロの仮面を被った市民に撃ち殺されます。
幼いブルース・ウェインは、1人立ち尽くすのでした。
パトカーで連行されるジョーカーは、窓から自分が引き起こした暴動を眺めて満足した表情を浮かべていました。
そこへピエロ姿の市民が運転する車が突っ込み、ジョーカーをパトカーから助け出します。
暴徒たちの歓声を浴びたジョーカーはボンネットの上にのり、自らの血で笑った口のメイクを施し、喝采を浴びながら踊るのでした。
その後、アーサーは精神病院でカウンセリングを受けていました。突如笑いだす発作が起きるアーサーは、ブルースの未来を思いながら笑っています。
そして「いいジョークを思いついた。君には理解できないよ。」と言い残し、精神病棟の廊下に血の足跡を残しながら走り去って行くのでした。
残された多くの謎と考察
曖昧な部分が多い映画『ジョーカー』は多くの謎を残したまま幕を閉じ、様々な議論を呼びました。
その一部を考察してみましょう。
アーサーの出生の真実
ペニーとトーマスの子であるかと思われたアーサーですが、その事実は一転しペニーの妄想であったうえに、養子であったことが判明します。
しかしペニーの殺害後にアーサーが見つめる若きペニーの写真の裏には『TW』のイニシャルが。つまり、トーマス・ウェインのイニシャルです。
まるで彼らの関係が深く、ペニーの話が本当であるかのように思えます。厄介になったペニーをトーマスが精神病院に送ったと考えると、辻褄が合うように思えますよね。
そうであるのなら、この物語で将来宿敵になるであろうジョーカーとバットマンは血が繋がっているということに…。
ジョーカーがバットマンを殺さないことを『兄弟だから』だと考えられることができるんですね。
真相はわかりませんが、映画のその後まで想像させられる奥の深い謎です。
どこまでが妄想なのか
アーサーは、次第に現実と妄想の区別がつかなくなって行きます。ソフィーとの仲は完全に彼の妄想だったことがわかりますが、その後はどうなのでしょうか?
『マレー・フランクリン・ショー』出演前に、髪を緑色に染め上げるアーサー。しかし、ラストの精神病院のシーンでは髪が黒色に戻っています。
もちろん染め直したのかもしれませんし、色が落ちたのかもしれません。
しかし、『マレー・フランクリン・ショー』への出演自体が彼の妄想であるとも考えられます。
そう考えると、どこからが妄想であってもおかしくないような気がして来ませんか?アーサーは証券マン殺しで逮捕され、妄想に取り憑かれているのかもしれません。
先ほどの写真の後ろのイニシャルについても彼の妄想の中で生まれたストーリーの伏線か何かなのかもしれませんし、そもそも養子だったことも、彼の人生を喜劇にするための妄想なのかもしれません。
そしてトーマス達が殺されたのも…バットマンという存在自体が、妄想だという読み取り方すらありえます。
それとも、このストーリーには彼のジョークが混ざっているのでしょうか。
ラストシーンの意味とは
ラストシーンで、突如笑いだす発作が起きるアーサーは、「いいジョークを思いついた。」と言いながら笑っています。
映像は殺された両親の前で立ち尽くすブルースの姿に切り替わります。
再び画面は笑うアーサーの姿になり、「君には理解できないよ。」と言います。
そして血の足跡を残して精神病棟の奥へ消えて行きます。
このシーンのアーサーの笑いは、この作品最大の謎だと言われています。フィリップス監督は「このシーンだけが、彼が唯一純粋に笑っている場面だ。」と語っていました。
この時ジョーカーは、ソーシャルワーカーを殺害し部屋から逃走をはかっているのでしょう。その陽気な姿は楽しい場所へ向かうようです。
苦しみから生まれた笑いや彼が大勢の一員になろうとした作り物の笑いなど、多くの笑いが登場する中、本物の笑いの中はこのシーンだけ。
一体どんな愉快なジョークを思いついて、何をしようとしているのでしょうか?
面白い犯罪を思いついたのかもしれません。
恵まれたブルーズが、自分と同じ孤独になったのがおかしかったのかもしれません。
もしくは、ブルースを正義のヒーローにして自分と戦うという展開が面白いのではないかと思った、つまり、その後バットマンを生み出したのはジョーカーだ、という事なのかもしれませんよね。
映画ジョーカーの登場人物と監督
映画の登場人物とそのキャスト、監督をはじめとするスタッフの紹介です。
ジョーカーの登場人物&キャスト
登場人物 | キャスト | 役柄 |
---|---|---|
アーサー・フレック/ジョーカー | ホアキン・フェニックス | 主人公の男です。 コメディアンを目指している道化師。 感情が高ぶると突如笑い出してしまう病気を患い、貧困にも苦しんでいる。 |
マレー・フランクリン | ロバート・デ・ニーロ | アーサーが憧れている人気番組『マレー・フランクリン・ショー』の司会者。 |
ソフィー・デュモンド | ザジー・ビーツ | アーサーと同じアパートに住むシングルマザーの女性。 |
ペニー・フレック | フランセス・コンロイ | アーサーの母。 認知症気味で体が不自由。 |
ランドル | グレン・フレシュラー | アーサーの同僚の道化師。 |
ゲイリー | リー・ギル | 小人症のアーサーの同僚の道化師。 原作で昔の相棒だったギャギーというヴィランが元となっている。 |
主演のホアキン・フェニックスはこれまで映画『ウォーク・ザ・ライン/君に続く道』や『ザ・マスター』でアカデミー賞主演男優賞にノミネートされていますが、アカデミー賞受賞は今作が初めてのことでした。
ジョーカーの制作スタッフ・監督
監督 | トッド・フィリップス |
---|---|
脚本 | トッド・フィリップス、スコット・シルヴァー |
制作 | トッド・フィリップス、ブラッドリー・クーパー、エマ・ティンガー・コスコフ |
音楽 | ヒドゥル・グドナドッティル |
監督のトッド・フィリップスは映画『ハング・オーバー!!』シリーズや『アリー/スター誕生』を手がけてきた映画監督です。
『アリー/スター誕生』で主演を務めた俳優のブラッドリー・クーパーが制作として関わっています。
また、音楽を務めたヒドゥル・グドナドッティルはアイルランドの女性音楽家で、今作でゴールデングローブ賞作曲賞やアカデミー賞作曲賞を受賞しました。
今後間違いなく注目されるであろう作曲家です。
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映画『ジョーカー』のあらすじやネタバレ・考察、動画配信サービスについて紹介しました。
アカデミー賞主演男優賞を受賞したホアキン・フェニックスの怪演を楽しめるのはもちろん、ストーリーに込められたメッセージや謎について色々な解釈ができる映画です。
ネタバレを読んでしまったあなたも、ストーリーの細部に込められた謎を解き明かしながら映画を見てみてください。
ピエロのメイクに悲しみを隠して進んでいく喜劇、そして誕生したジョーカーというスターのような悪役にあなたも惑わされ、夢中になってしまうはずです!